【動く力を伸ばす】ソフトテニスにおいて最も地味で最も重要な”身体を動かす能力”を解説!
【動く力を伸ばす】ソフトテニスにおいて最も地味で最も重要な”身体を動かす能力”を解説!

最近、反応が遅くてボールに間に合わなかったり、逆に近すぎて上手く打てなかったりすることがあるんだ...

それ、「動く力」が足りてないんだよ!

動く力?体力とは違うの?

ちょっと違うんだ。動く力は“思った通りに身体を動かせる力”。
速く動くだけじゃなく、止まる・バランスを取る・力を抜く——全部が関係してるんだよ。
「動く力」は、スポーツのすべての土台になる力です。
どんなに技術を覚えても、身体が思った通りに動かなければその技術は発揮できません。
つまり「動く力=判断力+技術を支える基礎体力」なんです。
例えば、ソフトテニスでは——
・打点に早く入れるかどうか
・バランスを崩しても打ち切れるか
・予測して1歩目を出せるか
これらすべてが「動く力」です。
動く力を高めるメリット
動く力を高めると、こんな変化がでます
1.打点に早く入れる
→ コントロール・威力アップ。相手の時間を奪える。
打点に早く入れる選手は、単に足が速いのではなく、ボールの軌道や相手のフォームを見て早く“読める”選手です。
つまり、判断力が動作の速さを生んでいます。
予測が早ければ、ムダな動きが減り、打点まで最短距離で動けます。
さらに身体面では、下半身の安定性とステップワークが重要。
早く打点に入れる=「構える時間ができる」ため、余裕が生まれ、ショットの威力とコントロールが格段に上がります。
2.バランスを崩しても打てる
→ 難しい体勢からでもショットが安定。
どんなスポーツでも「完全に理想の体勢」で打てることは少ないです。
相手のボールの回転、風、足場の悪さ——それらを瞬時に調整しながら動く力が必要になります。
ここで重要なのが**「姿勢を立て直す力」**。
軸足や体幹が安定していれば、打点のズレを補正でき、ミスを最小限に抑えられます。
動く力がある選手は、多少崩れてもスイングの“軌道”を保てるので、フォームが崩れず安定感があるように見えるのです。
3.集中力・判断力が落ちにくくなる
→ 疲れても冷静にプレーを続けられる。
動く力が高い選手は、疲労した状態でも冷静に判断できる力を持っています。
試合中はラリーや暑さ、緊張などで心拍数が上がり、呼吸も乱れる。
その中で正確な判断を保つには、高い心拍数でも冷静にプレーできる慣れが必要です。
動く力のトレーニングでは、「疲れた中で考える」ことを意識して行うと効果的。
たとえば、ダッシュやフットワークのあとに展開練習を入れる、HIITの後に試合やラリーをする——
そうした環境で練習を重ねることで、脳と身体が連動し、心拍数が上がっても判断・集中を維持できるようになります。
つまり、動く力とは、体力や筋力ではなく、“疲れてもブレない判断力”を支える基礎能力でもあるのです。
4.練習量を増やせる
→ 体力があるからこそ、より多くの経験を積める。
動く力の高さは、判断力や動きの質だけでなく、土台となる体力にも支えられています。
体力がある選手は、長時間の練習でも集中を切らさず、最後まで動き続けることができる。
その積み重ねが、他の選手との経験値の差になります。
もちろん、体力といってもただ「走れる」「筋力がある」だけではありません。
スタミナ・回復力・持久性——これらを総合的に高めることが、“動ける状態を長く保つ”力につながります。
判断力のある選手ほど、自分の体調や疲労のサインを早く察知し、ペースを調整できます。
だからこそ、毎日練習しても質を落とさず続けられる。
つまり、動く力が高い選手は、「速く動ける体力」ではなく「続けられる体力」を持っているのです。
5.反応が速くなる
→ 相手の動きを見て「動き出しの一歩」が早くなる。
動く力は、単に「足が速い」という意味ではありません。
見て・感じて・反応することも含まれます。
動ける選手は、相手の動きや打点を見て無意識に次の動きを予測しています。
そのため、反応の一歩が速く、コート内で「常に先に動いているように見える」。
これはセンスではなく、身体をコントロールする神経系のトレーニングによって育つ力です。
6.自信がつく
→ 動ける感覚が、自分への信頼になる。
動く力が高まると、「自分は動ける」という感覚が日常的に積み重なっていく。
打点に早く入れる、苦しい体勢からでも打ち返せる、試合終盤でも集中力が切れない——
そうした小さな成功体験の一つひとつが、自信につながります。
この「動ける自信」は、単なる精神的な安心ではなく、判断の速さやプレーの積極性にも影響します。
自信がある選手は、迷わず動ける。
結果的にプレーのリズムも良くなり、さらにパフォーマンスが上がっていくという好循環を生みます。
つまり、動く力を鍛えることは、メンタルを鍛えることでもあるのです。

“動く力”って、持久力やただ速く動くことじゃないんだね。

うん。動けるようになると、判断も落ちにくいし、自信もつくんだよ。

たしかに、思った通りに動けた時って気持ちいい!

それが“動ける自信”。身体が動くと、心も前向きになるんだ。
動く力を鍛えるには?
ここでは実際にCross Sportsのレッスンや練習で行っているトレーニングメニューを紹介します。
レベルや年齢、時期や目的などによって強度を決めてください。
毎日の練習の中に一つでも取り入れると、いつ間にかプレーが上達していると思います。
判断力を鍛える
判断力を鍛えるには、「見る → 予測する → 動く」の流れを意識した練習が効果的です。
・足ジャンケン
楽しさレベル:★★★★☆
強度:★☆☆☆☆
①二人一組になって向かい合う
②足でジャンケンをする
(両足閉じる=”グー” 両足左右に開く=”パー” 両足前後に開く=”チョキ”)
③勝った方が相手を追いかけてタッチする、負けた方がサイドラインに向かって逃げる
④③を繰り返したら、条件を逆にする(勝った方が逃げる、負けた方が追いかける)
・マーカーダッシュ
楽しさレベル:★☆☆☆☆
強度:★★★★☆
①画像のようにマーカーを配置する
②指示役はサービスラインからマーカーに向かってランダムに指を指す
③指示されたマーカーにダッシュして、マーカー上で素振りをしすぐ元の位置に戻る
④②と③を1分間繰り返す(クロスポではこれを1人3セット行います)
持久力を鍛える
ダブル後衛相手に振り回されたり、前後に揺さぶられたり、試合が連続したりなどソフトテニスにおいても持久力が必要になる場面はあります。
持久力といってもソフトテニスの持久力トレーニングにおいて、長い距離を走る意味はほぼありません。ソフトテニスでは長い距離をローペースで走る力よりも、競技の特性上、短距離を中〜高強度でダッシュを繰り返す力の方が重要となります。
以下に紹介するのはそこに着目したトレーニングになります。
・HIIT
楽しさレベル:★☆☆☆☆
強度:★★★★★
①30秒間アレーゾーンを反復横跳び
②20秒歩く
③30秒間ラインタッチ
④20秒歩く
⑤①〜④を繰り返す(クロスポでは3〜5セット行います)
・5周ダッシュ
楽しさレベル:★☆☆☆☆
強度:★★★★☆
①コート1面を1分10秒以内に5周ダッシュする
②休憩を少し入れ、次は逆回りで①を行う
・キャッチ&スロー
楽しさレベル:★★★★☆
強度:★★★☆☆
①サイドライン上にネットから4足分のところにマーカーを置く
②サービスセンターラインにも同じようにマーカーを置く
③2人1組になりボールを持ち、画像の範囲内にボールを投げる(下手投げで)
④投げた方はサービスラインまで戻り、投げられた方はワンバウンドでキャッチし範囲内に投げる
⑤④をどちらかがミスするまで続ける(クロスポでは4点〜10点マッチで区切ります)

これ、全部やるのはちょっとキツいね…!

全部やらなくていいよ。毎日ちょっとずつで十分。

少しでもいいんだ?

うん。コツコツ続ければ、ちゃんと強くなるよ!仲間とやれば楽しいしね。

そっか…僕もチームのみんなと頑張ろうっと!
まとめ
この他にもまだまだトレーニングメニューはありますが、今回は代表的なものを紹介しました。
クロスポの練習ではあえてトレーニング後の疲れた状態で展開練習を行って、
身体的にも精神的にもキツい状態で判断をするような練習をします。
動く力が高まると、
打点に早く入れるようになり、判断が速くなり、
疲れても集中が切れず、最後までプレーをやり抜けるようになる。
でもその力は、一日で手に入るものではありません。
毎日少しずつの積み重ねが、確実に身体と心を強くしていく。
コツコツと続けた努力は、
やがて“思った通りに動ける自分”という自信に変わります。

動けるようになってきたら、次はボールをたくさん打ちたいな!

いいね。次のテーマは“打つ力”。ただ強く打つんじゃなくて、意図をもって打つ力だよ。

意図をもって…?それって、どういうこと?

スピードだけじゃなく、回転やコース、タイミング。自分の考えを“ボールに伝えられる力”のことなんだ。

なるほど、次も楽しみだな〜!
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